星物語

うれしいとき かなしいとき 人々は、その暮らしや想いと はるかなるお星さまの世界をしっかりと結びつけて 寄り添い 生きてきました。そうして気が遠くなるくらい 永い時間が流れ 流れていきました。お星さまは あらゆる奇跡をおしえてくれました。人々はいつのころからか夜にはお星さまの下で集い、語り合い、静かに眠るそん暮らしを少しずつ忘れていきました。気がつけば夜は昼のように明るく、にぎやかになりお星さまを見上げることも、お祈りをささげることももうほんの少しになっていきました。お星さまも お月さまも 風のうたも 雲のかたちも 雨の雫たちも忘れ 忘れて人間たちは自らが創りだす世界に閉じこもって夢中になってしまいました。お空はどんどんせまく 透明さをなくして お星さまの居場所をうばっていきました。そうして人々からは神々のものがたりも はかない願いも 旅立った者たちへの想いももうすっかり忘れさられてしまったようでした。南の海の上 ある島の 海ぞい 小さな村のお空には、この村が生まれるずっとずっと昔からたくさんのお星さまが静かに輝きつづけていました。小さな村の人々は、夜の長い季節になるといつまでも平和な日々がつづきますよう祈り身近にある 遠く遥かな すべての愛を願ってお星さまの祭りをおこなうのでした。無数のお星さまの瞬きは 終わらない物語をかたってくれるのです。